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リサイクルワン マガジン

特集(2006年7月28日 Vol.119)

新しい事業モデルになるか グリーン・サービサイジング事業

  みなさんは、物を買う時に何をポイントにして製品を選びますか?
 もちろんどんな物かによっても基準は違うと思いますが、たとえばメンテ
 ナンスや保障、付帯サービスなど色々と気にされませんか?

  最近では、製品を売る側も、単純に物を売って利益を上げることから、
 物を売ったことをきっかけにして、派生する付帯サービスによって、より
 多くの利益を上げることが活発に行われています。
  こういったビジネスを『サービサイジング』と呼びます。
  そして、特に環境配慮の視点からサービサイジングを行うようなビジネ
 スが『グリーン・サービサイジング事業』として、注目されています。
 
  今回の特集では、『グリーンサービサイジング事業』についてお伝えし
 ましょう。
  

  ――――――――――――――――――――
  グリーン・サービサイジング事業ってなに?
  ――――――――――――――――――――

  『グリーン・サービサイジング』舌を噛んでしまいそうですが、難しい
 意味ではありません。
  もともとの『サービサイジング』という考え方は、欧米でも使われてい
 ました。その意味は、言葉にするとちょっと難しいのですが、

 「これまで製品として販売していたものをサービス化して提供すること」
 「財を売るのではなく、サービス(機能)を売るという経済システムへ
  の転換を図るビジネス」

  ということ。

  たとえば、携帯電話を買うと、音楽配信サービスや画像の配信サービス
 ができるようになりましたね。そもそもは「携帯電話を売る」ということ
 が商売だったのですが、音楽や画像の配信を行う事で配信そのものが新た
 な儲け口、つまり事業として成り立つわけです。
  
  このようなビジネスを『サービサイジング』と呼んでいます。
  では、そこに『グリーン』がつくと、どうなるんでしょうか。 

  『グリーン』、つまり環境配慮という意味がこめられているのですが、
 サービサイジング事業の性質そのものも、脱物質化という点では環境配慮
 型ということもできます。
  この言葉をつくった経済産業省では「従来の製品提供型のビジネスより
 サービス提供型にする事によって、環境負荷が低減されるビジネス」で
  ・製品の生産・流通・消費に要する資源・エネルギーの削減
  ・使用済み製品の発生抑制
 などの効果が望める事業 - と定義しています。


  ―――――――――――――――
  どんなビジネスモデルがあるの?
  ―――――――――――――――

  グリーンサービサイジングビジネスは、事業内容から2分野5分類する
 ことができます。それぞれのビジネスモデルの例をあげてみました。

 ■マテリアルサービス - モノを主体にしてサービスを提供する
 ・サービス提供者によるモノの所有・管理   :廃棄物処理・リサイクル
 ・利用者のモノに対する管理の高度化・有効化 :修理・リフォーム
 ・モノの共有化               :カーシェアリング

 ■ノンマテリアルサービス - モノの代わりにサービスを提供する
 ・サービスによるものの代替化   :廃棄物処理コーディネート
 ・サービスの高度化・高付加価値化 :ESCO


  ―――――――――――――
  ビジネスモデルの傾向と課題
  ―――――――――――――

  経済産業省では、研究会を作ってグリーン・サービサイジングビジネス
 について事例研究を行ってきました。上述の5分類について、24社を
 モデルとして事業内容、志向性、ビジネスの成立要件、価値・課題などを
 分析しています。
  その結果から、グリーン・サービサイジングビジネスの現状について
 整理してみました。

 ■ビジネスとしての成立要件
  現在市場にあるモデルは、製造事業者が「ものづくり」前後のプロセス
 に着目して、ビジネスを立ち上げることでビジネスとして成功するケース
 が多い傾向にあります。

  ●利用者側へのメリット
  1.経済性
   購入費、管理費、廃棄費等の削減になる(コスト削減)
  2.利便性
   運用や管理、メンテナンスなどの手間が不要となる(省労力化)
  3.その他
   専門事業者への信頼や安心感、製品への愛着、企業理念への賛同

  ●提供者側でのメリット 
  1.製品販売以外の新たな収益源ができた
  2.メンテナンス等の定期サービスメニューにより収益が安定した
  3.サービスによる満足度向上により顧客の囲い込みができる  

 ■ビジネスにおける課題
  各社が何を課題に感じているかについてです。

  ●市場性について
  ・対象顧客が限定される
  ・市場拡大のためには全国展開化が必要

  ●初期投資について
  ・設備導入などの初期投資が大きい
  ・市場開拓のための投資が大きい

  ●従来型ビジネスとの調整について
  ・従来型ビジネスとの軋轢が生じる
  ・リユース事業では新製品販売との兼ね合い(社内的)が生じる

  ●コミュニケーションについて
  ・環境面での価値を利用者に効果的に示すことが難しい


  ―――――――――――
  これからの発展に向けて
  ―――――――――――

  大量生産、大量消費の時代から一歩前進するためには、経済と環境の両
 立させることが、これからの日本の産業のキーポイントともいえますよね。
 その形の1つともいえる『グリーン・サービサイジングビジネス』ですが、
 脱物質化の観点からは優秀なサービスでも、単独で成功して市場性を持つ
 ことができていない現状があります。
  そのため、これからの発展のためのバックアップが考えられています。

 ●アライアンス構築支援制度の設立
  新しいビジネスを立ち上げるときに、アイディアはあるっても1社単独
 では事業化が難しい事がありますよね。これは、共同事業化や事業者間の
 提携に関して、マッチングや連携促進に関するサポートをする制度です。

 ●融資制度の創設
  事業が軌道に乗るまでの補助金による支援や、資金調達手段です。

 ●環境負荷低減効果の評価手法の開発
  外部に事業価値をPRするためにも、環境効果を提示することができる
 ように評価手法を確立することです。


  経済産業省では、05年、06年とモデル事業を募集して支援を行って
 います。
  新しいビジネスとして軌道に乗せる一助になる可能性がありますので、
 ご興味のある方は少し調べてみてはいかがでしょうか?


 参考サイト(経済産業省)
 →http://www.meti.go.jp/policy/eco_business/servicizing/h18fy-index.html



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