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| 特集(2003年3月9日 Vol.61) |
特集 「どうなる、環境税」 |
| 気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された京都議定 書によると、2008〜2012年、日本の温室効果ガスの排出量は19 90年比で6%削減しなければいけません。 しかし、2000年度の温室効果ガスの排出量は1990年比で8%も 増加。そのため日本の温室効果ガスの排出量削減量は実質14%となり、 非常に高いハードルとなっています。 そこで、日本政府は2005年を目途に、地球温暖化対策をはじめ環境 問題に対する国や地方を通じた総合的な取り組みについての検討をはじめ ました。 その中には、国内外で注目されている「環境税の導入」も検討対象となっ ています。 ――――――――――――― 温暖化対策税としての環境税 ――――――――――――― 京都議定書の目標達成に向けて、政府の地球温暖化対策推進大綱で検討 されている「環境税」のあり方は 1.国民の理解と協力を得て 2.国や地方の環境施策全体の中での税制の具体的な位置付けを踏まえ 3.汚染者負担の原則に立って 検討する ― となっています。 また、既存のエネルギー関連諸税などとの関係についても議論されてお り、既存の税制の見直しも検討されています。 具体的には石油や石炭の利用に対して課税を行う石油石炭税(仮称)に ついて検討されています。 その内容は、 ・液化石油ガス及び液化天然ガスに対し、1トン当たり1080円に引上げ (現行LPG:670円、LNG:720円) ・石炭を課税対象に追加し、その税率を1トン当たり700円のとする といったものです。 業界、地域に配慮した特例措置として、 ・鉄鋼の製造に使用する石炭、コークスの製造に使用する石炭及びセメント 製造に使用する石炭については、平成17年3月31日まで非課税とする 沖縄県の発電用石炭については平成19年3月31日までの非課税とする が設けられています。 ―――――― 税率のあり方 ―――――― 温暖化対策としての税制に限らず、広く環境に負荷をかける社会的な営み に対して課税をする場合、税率の設定には多くの議論が必要です。 長引くデフレの中、課税に伴う価格の高騰は企業の経営に大きな影響を与 えると考えられ、今年に入ってから行われた、鈴木環境相と日経団連の奥田 会長の会談では「先に税ありきはおかしい」と発言がありました。財界から は深刻な経済状況の中での新たな税負担について慎重な対応を求める姿勢を 表明しています。 反面、税率を低く抑えた場合、製品価格への影響は大きくはなく、税収を、 CO2排出削減対策や吸収源対策を促進する補助金など、温暖化対策の財源 として活用すれば、既存の国内経済に与える影響を抑えることができるので はないでしょうか。 ――――――――― 環境税とリサイクル ――――――――― 例えば、アルミニウムをリサイクルするのに要するエネルギーは、新品の アルミニウムを製造するのに要するエネルギーのおよそ1.3%です。鉄の リサイクルに要する熱は、新しい鉄を製造する際の約3.7%です。 つまり、今回検討されている石油石炭税(仮称)を実施すると、エネルギ ー節減とリサイクルを両立しているものに対しては、間接的にリサイクル製 品の流通を後押しする効果も考えられるわけです。 その他にも環境税を議論する際に、リサイクル商品の積極的な流通を目的 のため、リサイクル原料を使わない商品に対して課税を行うい、リサイクル 商品が相対的に安く購入出来るようにするなどの方法も検討されています。 ――――――― 環境税の戦略性 ――――――― 現在政府が検討している、環境税への取り組みの主な動機は、京都議定書 が掲げる温室効果ガス削減への対応です。 しかし、適正な税率であれば、新たな巨大市場として国際競争力が求めら れている環境分野での製品開発や、新規産業の創出の活性化、雇用の創出等 にもつながると考えられます。 つまり、環境税の課税を単なる環境負荷を修復するための規制として位置 付けるだけではなく、結果的に環境に配慮する企業などが税制面で有利にな り、そういった企業が経済的な余剰で、さらに環境に配慮された製品を造る といった、付加価値を生み出すきっかけと捉えるべきでははないでしょうか。 (特集記事担当:内多) |
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